友人・プーンちゃんが何年か前に、結婚した。プーンちゃんというのは、私の学生時代からの友人である。もともとタイからの留学生で、そのまま日本で就職して、いまも日本で暮らしている。

彼女の結婚式のパーティーへの招待がFacebook経由で届いた。けれども私は当時会社員で、バンコク(タイの首都)で、平日の開催だったから、仕事を数日、少なくとも3日は休まなければいけない日程だった。

当時普通に成田空港とバンコクの往復の航空券を買うと、往復6万円ぐらいはしたと思う。仮にバンコクまで行って結婚式に出席したところで知っている人もほとんどいない。そう思って、はじめから行かないという選択だった。

先月、恩師の男性とお酒をご一緒した。私よりも10歳ぐらい年上の方。

プーンちゃんの話とは別に、来月、日本人の友人の結婚式に招待をいただいている。結婚式の会場は、新幹線に乗らないといけない場所。友人は私をご招待してくださるぐらいなので私にとってももちろん大事な人である。でも行こうか迷っている、という話をした。
「ご祝儀がかかる、美容院代がかかる、新幹線代がかかる。会社員ではなくなった今の自分には厳しい。私の年齢的にも、友人の結婚出産ばかりで、自分はお金を出してばっかりだ。」

そう話したら、恩師はこうおっしゃった。

「いいじゃないか、そんなこと。」

「自分がなんとなく断ってしまった、同級生の結婚式を、あとになって行ってやればよかったと後悔することが多い」そうだ。その方の年齢になるとその後離婚したひともいるし、添い続けている人もいるし、子どもがいらっしゃるひともいるし、いらっしゃらない人もいる。いずれにせよ結婚式を挙げるというのは、その人達の人生の大きな節目。

いくつかの宗教では、「喜捨」という考え方がある。見返りを求めず、お金を出すこと。欲の心、見返りを求める心をお金とともに差し出すと、モノに対する執着がだんだんとれてくるそうだ。

たくさん喜捨をしたことのある人の話をきくと、出した分だけ、やがて自分にめぐって返ってくるという。それは出した分だけではなくて、1.5倍にも、2倍にも、あるいはもっと大きな循環となるそうだ。

結婚式で、その方たちの幸せを祈ってご祝儀を出す。ご祝儀もそういうものなのかもしれない。

冒頭のタイの友人・プーンちゃんの結婚式は、当時の私は会社員で、有給消化率100%だったし、仕事は少なくとも1,2日は休めたし、時期的にボーナスをいただいたばっかりだったし。たとえあの時の私がプーンちゃんの式に参列するのに10万円ぐらいかかったとしても何もいけない理由はなかった。アメリカやヨーロッパではなく、タイはもっと近い。

後日Facebookのアルバムにあがってきた、プーンちゃんのその結婚式のほんとうにほんとうに美しい写真を見た。プーンちゃんはもともとモデルのようにスタイルのいい美女である。ああ、いけば良かった、と写真を見ながら、思う。今も仲良くそのときの旦那様と過ごしている話を聞くと、ああ、行けばよかったな、とこれまた思うのである。

というわけで、結婚式のご招待のはがきに、「出席」にマルをつけた。明日ポストに入れる。

春夏(ハルカ)

ライター、巫女・占い師、ロシア語とロシア語圏のことなど。

マリーシェル占い館(千葉県・松戸atre)出演(春夏)/チャット占いアプリ「ウラナッテ」出演