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オカルト!? 科学!? 

「昆虫の祖先は地球外からやってきた」という説がアツイ!

夏といったら、昆虫採集!!なんて感覚はもう古いのでしょうか。

夏といったら、昆虫採集!!」なんて
幼い頃の記憶を蘇らせる!!

人間誰しも、昆虫採集の1度や2度は経験したことがあるはず。春なら花々の合間を舞うチョウやテントウムシ、夏なら木漏れ日のさす林の中にひそむカブトムシやクワガタ、セミ、カナブン、秋ならバッタやトンボなど……。しかしながら、つかまえた虫を家に持ち帰って飼育していたのは今は昔。子どもの頃感じていた魅力も、大人になると「気持ち悪い」に変貌してしまうものだ。

ただ、好きでも嫌いでも、私たちは昆虫を無視できない。気になり続けているのは事実だ。なぜそこまで、昆虫たちに気をとられてしますのだろう。もしかすると、それは宇宙にヒントがあるのかもしれない。

実は「昆虫たちの起源が地球外ではないか」という説がある。その名も「昆虫宇宙飛来説」。現在、地球上にいる昆虫たちの祖先は、実は地球外から飛来したエイリアンなのではないかという学説である。

化石を並べてみると、昆虫の存在は謎だらけ

地球上の生物には、進化の系統樹というものがある。みなさんも子どもの頃、教科書で習っただろう。海の中を泳いでいた魚類が陸にあがって両生類や爬虫類になり、そこから枝分かれしひとつは鳥類に、もういっぽうは哺乳類に。そしてネズミのような原始哺乳類がサルへと進化し、サルがヒトへと進化したというアレだ。

当然、昆虫にも系統樹はあり、海の中のウミグモやカブトガニのようなものが陸にあがって、ムカデなどの多足類になり、そこから6本脚の昆虫に進化したとされる。実際には諸説あるものの、おおかたこのような進化をたどると考えられている。

その系統樹を化石の研究に
あてはめてみると大きな謎が!!

化石調査の結果によると、最も古い陸上の昆虫は、約3億7000万年前の「デボン紀」に現れた体長約3mmのトビムシ。トビムシとは、アリのような小さな昆虫で、現代の地球上にもその子孫が生息している。

約3億7000万年前の「デボン紀」の陸にはこの原始のトビムシ1目だけが生きていたらしい。そして不思議なのは、そこから7000万年の間、そのほかの昆虫の化石は一切発見されず、約3億年前の「石炭紀」になって一気に大量の昆虫が大発生しているのだという。

しかも、トビムシとは似ても似つかない、ゴキブリの祖先プロトファスマや、翼長70cm

もある巨大トンボのメガネウラ、全長2mもあるアースロプレウラという巨大ムカデまで、とてもバラエティーに富んでいる。基本的に、空を飛ぶ羽をもった昆虫の化石が初めて出現するのがこの時期だ。

もうおわかりだろう。そう、原始のトビムシの7000万年後に、一足飛びにこんなに多様な昆虫に一気に進化しているなんておかしくないか? その中間の昆虫がもっとたくさんいてもいいはずなのに、いないのはなぜ? そもそも系統樹の順番とまったく合ってなくない? そう思ってしまわないだろうか。

進化のミッシングリンクを埋める!

この進化と進化の中間の化石がない現象を「ミッシングリンク」という。昆虫のミッシングリンクはまさに先ほどの7000万年間。この“進化の空白期間”にいったい何があったのだろうか。

その問いに答えることができるのが「昆虫宇宙飛来説」である。「昆虫宇宙飛来説」では、次のように考える。つまり、その空白期間に、宇宙から多くの原始昆虫が飛来して地球に棲みついたのだと。なるほど、そういうことなら説明が付く。いや、空白期間だけではない。そもそも最初のトビムシだって、宇宙から飛来した生命体が進化したものかもしれない。

隕石などに宇宙の虫やその卵がひっついていて、それが地球にやってきたのだとしたら……昆虫だけが、その見た目も能力も、ほかの地球上の生物とはかけ離れた存在であることの説明が付く。例えば、現代でも、高温や低温、真空状態にも耐える「不死身のムシ」で有名なクマムシのような生物もいるのだから、可能性はゼロではないだろう。

もっとも、「昆虫宇宙飛来説」は、昆虫そのものでなくても、何かしら昆虫の進化を促進させるものが飛来し、それによって現在のような、多種多様な昆虫が生まれたという考え方も含んでいる。

昆虫はその能力をどうやって獲得したのか

よくよく考えてみると、昆虫ってスゴイ。例えば、卵から幼虫が生まれ、それがサナギになって成虫へと変態する。イモムシが美しいチョウになるさまは、まさに不思議の一言だ。

また、昆虫は木の枝や草、花、ほかの生物などに化ける、いわゆる「擬態する」能力を持ったものが多い。けれど、肝心の昆虫自身の目は、それほど高度にはできておらず、色や形などを正確には捉えられないとされる。つまり、昆虫自身、自分の色や形をよくわかっていないはずなのだ。そのような状態で、自分の姿・形を周囲の環境や外敵などに合わせて進化させてゆくことが可能なのだろうか。

それはまるで、誰かが昆虫をそのように設計・デザインし、特別な機能を与えたかのようではないか。

その誰かとは、創造神なのか、はたまた宇宙人なのか……。

いずれにせよ「昆虫は宇宙から来たエイリアンかも」という想像は、不思議なロマンがある。もしかしたら、宇宙から飛来したのは、昆虫の祖先だけではないのかもしれないというワクワクするような想像までできるのだ。だから、私たちは昆虫に心をとらわれるのかもしれない。

文/来栖田まり