連載コラム

実はよくわかっていない?神社の正しい参拝の仕方

年末になり、これから年始にかけて神社に参拝する機会が増えるのではないでしょうか。
しかし神社の本当の参拝の仕方は知っていますか?
なんとなく参拝したり、隣の人と同じようにしたりしているのではないでしょうか。

神社では参拝の仕方にもそれぞれの理由があり、意外と知らないことも多いのです。
知っているとちょっとだけ鼻高になれる、正しい神社の参拝の仕方を勉強していきましょう。

神社の参拝のカタチ

ずっと昔から日本人はなにか大事なことがあると神社に参拝をしていました。
生まれてから30日前後に参拝して「長寿と健康」を神様に願う“お宮参り”
3歳、5歳、7歳になった子供の成長を願う“七五三”
その他、結婚式や厄年なども参拝するのではないでしょうか。

神社はその地域に昔からあり、地域に根付いていました。
みんなが家族の幸せと健康を願い、参拝していたのです。

最近では「パワースポット」が人気になり、神社に参拝する人も多くなっています。
しかし、そこで正しい参拝の仕方はどうしたらいいのか、と気になる人も多いようです。

実際には神社の参拝の仕方は厳格な決まりはないのです。
細かな参拝方法はその地域、神社によって違いますので、参拝した神社で確認するのが一番いいでしょう。

ここで紹介するのは一般的な参拝方法になります。
簡単にまとめましたので、参拝するときの参考にしてください。

神社参拝の基本的な作法

神社に参拝するのに、どの神社も基本的に同じ作法になります。
ただし細かな部分は各神社によって違うことがありますので、
自分が参拝する神社で確認してみてください。最近の神社ではしっかりと参拝の仕方が書かれています。

神社への参拝の流れは以下のようになっています

1入口の鳥居をくぐる前に会釈をし、気持ちを引き締めてから境内に入ります。
2入手水舎の水で心身を清めます。このことを「手水をとる」といいます。
3参道を通ってご神前へ進みます。このとき中心は神様が歩く場所なので歩かずに参道の端を歩きます。
4賽銭箱の前に立ったら会釈をし、神さまに捧げる真心のしるしとして、賽銭箱にお賽銭を入れます。
5二礼二拍手一礼の作法で拝礼し、会釈をしてから退きます。

どうでしょうか。
神社の参拝の基本的な流れになります。
次からは参拝する時に気になることを書いていきます。

神社を参拝するときの服装

神社を参拝するときの服装は、大事な行事のときはもちろんですが、普段でも心の表れともいわれますので、参拝するときは気をつかいましょう。
特にお祓いをしてもらうときなど、社殿の中の特別な場所で参拝されるときは、男性はスーツにネクタイ着用、女性も同等の服装にするといいと思います。
旅先や散歩の途中などでは、気軽に立ち寄っているため軽装になりがちですが、特別な場所での参拝を予定している場合は、正装の準備をしていきましょう。

鳥居のくぐり方

神社の鳥居には、一般社会と神域を区切る結界のような意味があるともいわれています。
そのため、鳥居をくぐる際は、神様のお宅を訪問するような気持ちで、鳥居の前で一礼してからくぐるのが丁寧なくぐり方とされています。
また、参拝を終え、境内を出る際も鳥居の下で社殿の方に向き直って一礼するとよいでしょう。

鳥居が複数ある場合は、鳥居の数だけ一礼してくぐるのが良いと言われていたり、
1の鳥居と本殿前の鳥居だけは絶対に一礼をしてくぐるべきと言われていたりします。

ただ、神様に対して失礼のないようにというのが基本です。

参道の歩き方

鳥居をくぐったときから神社の中は神域になります。
参道の中央を神さまが通る道(正中/せいちゅう)になりますので、参道の中央を避けて左端を歩くようにしましょう。
また、参道の中央を横切る際には、軽く頭を下げながら通ったり、中央で神前に向き直って一礼してから横切ったりしましょう。

伊勢神宮の場合は特殊で、外宮は左側通行なのですが、内宮は右側通行になっているそうです。
細かいところは神社によって違うので、できれば参拝に訪れた神社で調べたほうがいいでしょう。

手水の仕方

本殿前には身を清めるための入手水舎があります。
手水の仕方も細かくは神社によって違いますが、以下のような流れが一般的とされています。

① 右手で柄杓(ひしゃく)を持ち、水を汲んで左手にかけ左手を清めます。
② 次に柄杓を左手に持ち替えて、同じように右手を清めます。
③ 再び柄杓を右手に持ち、左の手のひらに水を受けて口をすすぎます。
④ 口をすすぎ終えたら、もう一度水を左手に流します。
⑤ 最後に水の入った柄杓を立て、柄に水を流してから伏せて置きます。

最近では手水の仕方も解説されている神社が多くなってきましたので、
その神社のやり方で手水をしたほうがいいでしょう。

拝礼の仕方

一番悩んでしまうのは本殿で神様に拝礼するときの作法ではないでしょうか。
他の人を真似てみたり、だいたいの思い込みで拝礼したり、色々かもしれません。
礼拝の方法の基本は「礼」「拍手」の繰り返しになりますが、神社によって順番や回数など違う場合があります。
賽銭箱の周りなどにその神社での参拝の仕方が書いてあるので、確認したほうがいいでしょう。

本殿前にある賽銭箱に賽銭を入れますが、これは自分の気持で金額を決めましょう。
必ずしも大きい金額を入れれば願いが叶うものではないので、自分の気持ちです。

参拝は願いを叶えてもらうものではなく、感謝の気持ちを伝えるものです。
本来は「自分は一生懸命頑張って、願いが叶いました。ありがとうございます。」と神様に伝えるものですが、一生懸命頑張ったうえで最後は神頼みというのはわかります。

なので、参拝の仕方で神様に失礼のないようにしましょう。

基本的な礼拝の仕方です。

① 深いお辞儀(礼)を二回繰り返します。[ 二礼 ]
② 次に両手を胸の高さで合わせ、右手を少し手前に引き、肩幅程度に両手を開いて拍手を二回打ちます。[ 二拍手 ]
③ そのあとに両手をきちんと合わせながら心を込めて祈ります。
④ 両手をおろし、最後にもう一度深いお辞儀(礼)をします。[ 一礼 ]

中には1礼、2拍手、2礼のように回数などが変わる神社もありますので、確認してみてください。

神社に参拝するというのは、本人の思いを祈りに行くことなので、本当に気持ちを込めているのであれば多少の参拝方法が違っていても問題ありませんが、周りに迷惑をかける様なことはやめましょう。

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