ドコモがラグビーワールドカップで5Gイベントを開くなど、徐々に5Gへのシフトが始まろうとしています。
この5Gが占い業界にはどのような変革をもたらすのか?
これを考えてみたいと思います。
■直近の変革期
今から約10年前まではガラケーの占いコンテンツが流行っていました。月額課金300円おみくじ型のテキスト占い全盛で、100万人ユーザーを獲得するようなサイトも存在していました。1本リリースすると100万くらいは毎月もうかる、そんなイメージを持つ会社が多かったと思います。
しかし、その流れが変わったのがスマホの出現でした。2008年にソフトバンクがiPhoneを扱い、2011年にドコモがスマホをリリースすると、ガラケーからスマホへ移動したユーザーが月額制サービスをあまり利用しなくなるという現象が起こりました。
これまで毎月100万円売上があったサービスが、1万円になる。そんないつの間にかデフォルトでも起こったかのような状態に陥ります。
スマホに合わせたコンテンツに切り替えがなかなかうまくいかず、占い系上場企業の業績が一気におかしくなったのはこの頃です。
スマホ向けのコンテンツ業者もこの頃出てきました。テキスト同じで画像・タイトルを変えるといった粗悪品を出す業者も出現しだします。1タイトルで数万円を挙げるのがやっとという状況が続き、もはやこの頃には大手が手を出す事業ではなくなってしまいました。
そんな状況を見て私はスマホユーザー向けのサービス提供に打って出て、その読みがピタリとアタリ、今普及したスマホ向けのチャット占いにつながります。
しかし、もともとの想定よりは拡大することなく、現在に至るような状況と私は感じています。
■5Gによる影響・変革
ここから5Gが与える影響を考えていきます。
ガラケーからスマホになった時と同じような巨大なインパクトがあるようなものはまず起こらないでしょう。今までのものが使えなくなるわけではないからです。
5Gの大きな特徴は、「高速・大容量」「低遅延」「同時多数接続」というものらしいです。
2つ目に挙げたものは、レイテンシなどとも呼ばれる場合もあり、レイテンシ(通信遅延)のない世界が来るという記事も多数見受けられます。
これらの状況が占いにはどう影響するのか?
はっきり言えることは、
おそらくスマホの電話占いをやってる方は、これまでの問題がクリアされると言えます。
これまでの問題が何かというと、”鑑定時の接続切れ”
電話鑑定では致命傷といえるこの問題が解消されることになります。
この問題が解消されることで、たとえば広告とかも踏み込めなかったサービスが踏み込むようになったり、サービスのスマホシフトを渋っていた会社が動き出すことになるでしょう。
電話が切れなくなるということは、鑑定士・ユーザーともにストレスの軽減につながりますし、鑑定スキルをフルに発揮できるようになります。それとともに、サービス運営側への苦情が5%以上高まるサービスも出てくると思います。苦情の5%増加は、サービス運営に大きな影響を与えることになります。これはPCの電話占い業者が一番御存知の事かと思いますが、サービス自体の品質低下やサービスブランド棄損につながり、顧客離れにつながってしまいます。
こういう状況を考えると、占い師審査を入れていたウラナッテには有利な状況が生まれるのではないかと考えています。
「高速・大容量」からは、映像付きの占いが利用しやすくなるということが予想されますが、そもそもそこまでニーズが高いものではないことはこれまでのサービスで明らかです。
「同時多数接続」に関しては、占いではあまり利用ニーズはありませんが、裏側であるシステム処理において、スムーズな運用ができるなどのメリットが生まれるかもしれません。ここは規模を大きくしやすいという点くらいでしょう。
5Gにまつわる3つの視点で考えてきましたが、これらから分かるように大きな変革というよりも、運用側の負担が軽減されるという点が一番大きいのではないでしょうか?
■今回劇的な変化は起こらない?
では、そういった状況から今回は変化がないのか?というと、それはあると思います。
実は電話占いにおいては、すでにスマホからの利用が80%を超える会社も出てきており、数年前の60%から20%も伸びている状況が見られます。
したがって、スマホ向けにシフトできなかった電話占い系企業がようやく重い腰を上げることにつながるので、電話占いが徐々に拡大することになると思います。
ただし、PC系占い会社は体力を減らしており、過去の勢いを感じさせられるところまでいくかは不明です。PC電話占いを買収した上場企業子会社のサービスに一時勢いがあり、月売上1000万円のサービスを買収し、半年で5000万円まで伸ばしていました。しかし、そこから成長させる絵を描けずに、他サービスに占い師レンタルといった状況に陥り、結果的にブランド棄損が発生している状態で、最近話も聞かなくなりました。つまり、PC系占い会社は思った以上に力を失っている可能性があるのです。
■その先に訪れる変化の行方
占い以外に目を向けてみると、日本のお家産業と呼ばれていた自動車産業でさえ、トヨタと各社が提携を進めるだけでなく、トヨタ自体が脱自動車という動きを見せています。車を購入ではなく、借り上げやレンタルみたいなモデルも進んでいます。
経済評論家の中には、日本では自動車メーカーがトヨタだけになるなんて話をされる方も出てきていますが、たしかに提携が進み各社で同じ車を扱うなら、複数社の看板は必要なく、一本化した方が効率的です。
こういう占い以外の状況をみると、占い業界でも同じことがいえると思います。ひとりの占い師が複数のサービスにいるのなら、最終的にはひとつのサービスで十分ではないかということに行きつくと思います。
すぐではなくても、先々はそういうことが起こるでしょうし、その時には普通の会社というよりも、国の機関と連携したサービスモデルが新たに生まれるのではないかと考えています。
ひとつのサービスになるということは、ルールもひとつになるわけです。これまでは問題を起こした占い師が次々と別会社のサービスに移転することができましたが、それができなくなるわけです。そうすると、ひとつの巨大サービスとそこから漏れた占い師という形になります。当然漏れた占い師により、占いトラブルが発生すると、そこに対処する必要が公的機関や国には出てくることになりますが、一番簡単なことは免許制などにしてしまうこと。ひとつの巨大サービスしかないわけですから、それを導入しやすいし、大きな反発も生まれません。
国の認可に関しては、本来ハードルがとても高いものです。しかし、巨大なサービスの売上が数百億程度ならまだしも、世界のユーザーに向けて占いサービス提供をする段階になると、ユーザーの母数が1億人以上にふくらむ可能性もでてきます。すると、年で売上1兆を超えてくることも十分考えられます。そこで税収や権利収入が入るということならば、本来あるべきハードルもなくなり、認可サービスが生まれる可能性もでてきます。建築士や弁護士などの資格はあくまで日本のみの適用ですが、巨大サービス自体が、日本だけでなく世界展開していれば、そこの資格・認証が世界資格の役割を担うことになるわけです。日本もしくは日本の団体が世界標準となる資格の管理をするようなケースは非常に稀なため、ニッチな市場でどこの国も狙ってないけれど、これから狙われるリスクがある、また、それなりに儲かると分かれば動くのではないでしょうか。
こういう世界の登場は、だいぶ先になるように思えますが、これまで問題のあったインフラが整備され、いつでも動ける環境が整った今は、一気に加速する可能性を秘めています。
ひとつの巨大サービスの中心に弊社マリーシェルがいるかはわかりませんし、そうしたものになれるかも不明です。しかし、アプリも含めてWEBサービスとリアルサービスの双方でそれなりの実績と信頼を積んでいる企業は、そんなに数があるわけでなく、そもそもそういう方向を目指して事業を進めている企業はおそらく弊社以外には存在しないでしょう。
突飛な考えのように思われる方もいらっしゃいますが、他の業界で実際に起こっている流れを踏まえると、そんなに突飛な考えを言ってるわけではないことはお分かりいただけるかと思います。
ひとつの巨大サービスという表現を使いましたが、会社と言ったわけではなく、会社は複数存在することも考えられます。別の言い方をすれば、1プラットフォームという考えに近いかもしれません。