「渋谷にはロクな占い師がいない」
という声がお客様からあった。
お客様といっても、うちの店の前を通った通行人で厳密にいえば、うちのお客様ではない。
ロクな占い師がいない、こういう話をするというのは、占い利用者なのだなと思い、話を聞いてみる。
「店なのに客がいるわけでもなく、電話占いをしてるんだから」
あー、やっぱり占い利用者だと。
なんか嫌なことでもあったんだろうか。
「そういうところもあるんですね。でも、客が来ないんだから、電話占いするしかないんじゃないですかね」
「おたくはいつも入ってるよね」
「いえ。いつも入ってるわけじゃないですよ。今月始まったとこですから。ゼロから作らなきゃいけない状態なので、今はこのとおりですよ。今空いてるのでどうですか?」
「今日は時間ないから」
おいおい、今こうやって話してるんだから、時間あるだろと思いつつ。
「ぜひ今度、秋葉原と吉祥寺にもあるので。」
と言って名刺を渡す。
「へー、アトレに入ってるの?アキバの?」
「はい。ここ109はとりあえずポップアップですが、秋葉原も吉祥寺もテナントで出しているんで」
「やっていけてるの?」
「アキバは1年半ですね。吉祥寺が来月2年で」
「駅ビルって家賃高いでしょ~」
「まあ、うちくらいですからね。」
こんな会話のやり取りがあり、結局鑑定をするわけでもなく。
渋谷にはロクな占い師がいないといったこの人には、うちはどう映ったんだろうか?
実際にロクな占い師がいないのかどうかは別として、店で電話占いってのは、客が取れるレベルではないのだから仕方がないんじゃないかと思う。暇な時間だけってのはまだしも、この人の話しぶりではいつ行ってもというような感じだったし。
そんな店なら行くだけ無駄なんじゃないかと思いつつも。
ずっと客が来ないから電話占いしてたら、その占い師はもはや終わってるなとも思う。
せっかく店に出ていて、客が道に流れるところなら、その流れを見ながら、今日は何時頃に客が来そうか?とか、この人は興味ありそうだなとか、今日の流れはなんかおかしいぞとか、現場だからこそ体感し身に付くものがある。
そりゃあ、そんなことしていても、数字に直結はしない。効率も悪いと感じるだろう。
でも、こうしたことで引く力が身に付く。
流れが悪ければ、無駄な声掛けをせず、流れが出た時にすることで、効率よく集客もできる。
また、今日は繋がらなくても、別の日に来るきっかけになる。
今はつながらなくても、3か月後、6か月後に自分のプラスになってくる。
客が来ないから、電話占いも一つの考え方だろう。
でも、それじゃ109に出店とかは無理だろう。稼げずに即死することになる。
そもそも店にいて、店を繁盛させられない占い師が、他人の悩みを解決するなんて無理なんじゃね?とも思える。
店が客を呼べないというようなことをそういうところの占い師は言うだろうが、どっちもどっちで、同じレベルだ。
きちんと数字を作る占い師なら、店の方が誠実だというかもしれない。最初から電話という稼ぐ道を提供しているし、契約時にそんな状況を知りながら契約して不平不満を口にする占い師の方が問題という意見もあるだろう。
渋谷に入るなら、改装後の東急に入りたい。
うちはあくまで駅ビルに固執する。
うちの狙うターゲットを考えると、やっぱ駅ビルがいい。
109でも時間かければそこそこやれるかもしれない。
でも、アパレルTOPブランドにまったく歯が立たないのは悔しい。
他の占い館並みに売上あっても、ちっともうれしくない。
あくまでその施設内で上位に食い込めるかどうか。
坪売り上げで他業種に勝つ。これが目標だ。
アキバで1年半経験し、勝つ方法はあるなと手ごたえを掴んだ。
でも、それはリピーターを所属占い師の各々がきちんと掴めるエモい鑑定をしていくことが大切で、最近ようやくそれができる占い師が増えてきた。
アパレルは、シャツにパンツ、シューズと商品がたくさんあり、シャツを買った人がパンツを購入したりするが、占いではそうならないからこそ、それに代わるものを考えないといけない。
今、それに代わるものとなる仮説を立て、検証中であるが、おそらくこの手法がシャツ&パンツの代わりになると思う。
そして、仮設が実証され、その手法が取れるんであれば、勝つ確率を上げることができる。
ちなみにパワーストーンブレスはうちは売らない。
これ、霊感商法だとか言われる原因になるし、そういう部分でなく、王道の占いで勝負できる体制を用意したい。
引用:チャット占いUranow(ウラナーウ)と秋葉原・吉祥寺の占い館